別荘が売れないまま管理費を払い続けると、総額はいくらになるのか?

別荘の郵便受けからあふれた封筒。湿気で波打ち、蜘蛛の巣が張っている

もう少し待てば、買い手が現れるかもしれない。

値下げする前に、一度はそう考えると思います。私もそうでした。

ただ、待っている間も管理費と固定資産税は毎年出ていきます。

問題は、その金額がいくらなのかを誰も計算していないことです。

売ろうとするときの100万円の値下げには何日も悩むのに、何年も待つ場合に無駄に出ていってしまう金額は数えていません。

この記事では、売れないまま持ち続けたときに10年で出ていく総額を計算します。

使うのは、実際に公開されている別荘地の管理費と、固定資産税の標準税率です。

そのうえで、待つのと値下げするのとどちらが大きいのか、そしてあと何年待つと本体価格を超えてしまうのかまで出します。

相談者

あと1年待ってみようかと思っているのですが…

案内人

その1年でいくら出ていくか、計算されましたか?

相談者

…していません。管理費はいくらだったかな、くらいです

案内人

そこを出さないと、値下げすべきかどうかを決められないんですよ。まず年額を確定させましょう。

売れない別荘、買い取ります。別荘地・山林・原野もそのまま。査定無料、全国対応。

売れないまま持っていると、管理費だけが出ていきます

仲介は、買いたい人が現れるまで終わりません。別荘や別荘地はその「買いたい人」がいないので、値下げしても止まったままです。その間も管理費と固定資産税は毎年出ていきます。

買取は業者が直接買うので、買い手を探す必要がありません。建物が古くても、別荘地や山林のままでも査定は出ます。金額を見てから決めて構いません。

目次

別荘が売れないまま払い続ける管理費の内訳

出ていくものは決まっています。金額が読めるのは次の3つです。

  • 別荘地の管理費(管理会社に毎年払う)
  • 固定資産税・都市計画税(毎年)
  • 水道の基本料金や維持費

このほかに火災保険料と現地に行くための交通費がかかりますが、契約内容と住んでいる場所で開きが大きいので、ここでは金額に含めません。

つまりこれから出す数字は、実際にかかる金額の下限だと思ってください。

別荘地の管理費

別荘地の管理費は、同じ地域の中でも10倍以上の開きがあります。

那須で複数の分譲地を扱う管理会社が、9つの分譲地の管理費を公開しています。

そこでは年6千円のところから、土地と建物を合わせて15万円を超えるところまで並んでいます。

そこに載っている9つの分譲地から、管理費の水準が違う別荘地を3つ抜き出しました。

管理費がいちばん安い別荘地をA、真ん中あたりをB、いちばん高い別荘地をCとします。

同じ那須の中でも、AとCでは年額に8倍の差があります。

別荘地土地にかかる管理費建物・水道にかかる分1年で払う合計
A 管理費が安い別荘地組合費 年額6,000円水道維持費 年額10,000円16,000円
B 管理費が中くらいの別荘地年額8,800円/区画+40円/㎡水道使用料 年額28,800円57,600円
C 管理費が高い別荘地70円/㎡/年建物共益管理費 年額88,200円123,200円
土地の面積を500㎡として計算。同じ管理会社が扱う那須地域の分譲地から抜き出した

Aは所有者でつくる組合が道路と水道だけを維持している別荘地です。

Bは管理会社が入っていて、土地の面積に応じた管理費を取っている別荘地です。

Cは建物の見回りや点検まで管理会社が請け負っている別荘地で、建物の分の管理費が別にかかります。

自分の別荘がどれに当たるかは、管理会社からの請求書を見れば分かります。

別荘地の管理費は何に使われているのか?

山間の急勾配な細い生活道路
管理費は建物ではなく、別荘地全体の道路や設備にかかっている

そもそも、行かない別荘になぜ管理費がかかるのか?

答えは、管理費が建物ではなく別荘地全体にかかっているからです。

金額の内訳は分譲地ごとに違いますが、たいてい次のようなものが含まれています。

  • 別荘地内の道路の維持と、冬期の除雪
  • 街灯の電気代と修理
  • 共用の水道施設(受水槽・ポンプ・配管)の維持
  • ゴミの集積所の管理
  • 管理事務所の運営と人件費
  • 共有地の草刈りと倒木の処理

どれも、自分が行くかどうかとは関係なく発生します。

道路の雪かきは、その別荘地に1軒でも人が来るなら止められません。

だから使っていないから安くしてほしい、という理屈が通りません

自分の分譲地で何をしているのかは、管理規約か管理委託契約書に書かれています。

手元に無ければ管理会社に請求してください。売却のときに買い手へ渡す書類でもあるので、どのみち必要になります。

固定資産税と都市計画税

固定資産税の標準税率は1.4%です。

都市計画税は市街化区域などにかかるもので、制限税率は0.3%です。

高原の別荘地は市街化区域の外にあることが多いので、都市計画税がかかるかどうかは納税通知書で確かめてください。

ここでは土地の評価額300万円、建物の評価額100万円として計算します。

合わせて400万円に1.4%をかけると、年額56,000円です。

そして別荘の土地には、住宅用地の特例が使えません。

自宅なら200㎡までの課税標準が6分の1になるところが、別荘にはこの軽減がありません。

同じ評価額の自宅と比べて、土地の税額はそのぶん高く出ます。

土地の評価額が30万円未満なら課税されません

ここは知っておくと得をするところです。

固定資産税には免税点があり、同じ市町村の中で、土地の課税標準額の合計が30万円未満、家屋が20万円未満なら課税されません

バブル期に山奥へ大量分譲された別荘地では、土地の評価額がここまで下がっていることがあります。

建物を解体したあとの土地なら、なおさらです。

納税通知書が届いていない年があるなら、免税点を下回っている可能性があります。

ただし、これは固定資産税が止まるだけで、管理費は止まりません

そして評価額が30万円を切っているということは、市場でもそれに近い評価だということです。

税金が来ないから持っていても平気だ、とはならない点に注意してください。

納税通知書のどこを見るか?

年額を確定させるには、納税通知書の課税明細を見ます。

紛らわしいのが、評価額と課税標準額は別物だということです。

  1. 価格(評価額)… 3年に1度の評価替えで決まる、その土地・建物の評価額
  2. 課税標準額 … 実際に税率をかける金額。特例や負担調整が入ると評価額より小さくなる
  3. 相当税額 … 課税標準額に1.4%をかけた金額。土地と家屋で行が分かれている

売却の判断に使うのは、土地と家屋の相当税額を足した金額です。

そして土地と家屋の評価額は、3年ごとに評価替えが行われます。

建物の評価額は年数とともに下がっていくので、何年も前の通知書の数字をそのまま使うと、少しずれます。

いちばん新しい通知書を出してきてください。

水道の基本料金と火災保険

別荘の室内に置かれた薪ストーブ
使っていなくても、水道の基本料金と火災保険料は出ていく

使っていなくても、水道の基本料金や維持費は発生します。

先ほどの表では、Aで年10,000円、Bで年28,800円が水道の分でした。

井戸を使っている別荘地なら水道料金はかかりませんが、ポンプの電気代と、故障したときの修理費が代わりにかかります。

冬に水を抜き忘れて配管が破裂すると、その修理費も乗ります。

火災保険は、建物の構造と補償の範囲で金額がまったく違うので、ここでは金額を出しません。

ただ、更新の案内が来たときは条件をよく読んでください。

人が長く出入りしていない建物は、契約の区分や引受の条件が変わることがあります

保険証券と更新案内を並べて、補償の範囲が前と同じか確かめておくと安心です。

別荘が売れない状態で10年持つと、総額はいくらになるか?

では、この3つの別荘地それぞれについて、10年分を積み上げます。

1年で払う合計に、固定資産税56,000円を足した金額を並べたものです。

別荘地1年3年5年10年
A 管理費が安い別荘地72,000円216,000円360,000円720,000円
B 管理費が中くらいの別荘地113,600円340,800円568,000円1,136,000円
C 管理費が高い別荘地179,200円537,600円896,000円1,792,000円
管理費・水道の維持費に、固定資産税56,000円(評価額400万円×1.4%)を足した金額。火災保険料と交通費は含まない
管理費の水準が違う3つの別荘地で、持ち続けた場合の10年の累計
管理費の水準が違う3つの別荘地で、持ち続けた場合の累計

10年で72万円から179万円です。

しかもこれは、火災保険料も交通費も入れていない下限の金額です。

ここで、値下げと比べてみます。

したこと出ていく金額
100万円値下げして売る1,000,000円(1回きり)
管理費が高い別荘地(C)で5年待つ896,000円
管理費が中くらいの別荘地(B)で10年待つ1,136,000円
管理費が高い別荘地(C)で10年待つ1,792,000円
100万円の値下げと、待ち続けた場合に出ていく金額の比較
100万円の値下げと、待ち続けた場合に出ていく金額の比較

管理費が高い別荘地なら、5年待つことと100万円値下げすることは、ほぼ同じ金額です。

しかも値下げは売れた時点で終わりますが、待つほうは売れるまで終わりません。

そして待っている間に建物は古くなり、売れる可能性はさらに下がっていきます。

値下げをためらう気持ちは分かります。私も200万円まで下げるのに半年かけました。

ただ、待つことにも値札が付いていることは知っておいてください。

あと何年で、別荘の本体価格を超えるか?

もう1つ、判断に効く数字を出します。

持ち続けた費用の累計が、その別荘の売却価格を超えるまでの年数です。

売却価格A 管理費が安い別荘地B 中くらいの別荘地C 管理費が高い別荘地
300万円41年26年16年
200万円27年17年11年
100万円13年8年5年
50万円6年4年2年
売却価格 ÷ 1年に出ていく金額(A 72,000円/B 113,600円/C 179,200円)で計算。小数点以下は切り捨て

値が付きにくい別荘ほど、この年数は短くなります。

100万円でしか売れない別荘を、管理費が高い別荘地で持っていると、5年で売却価格と同じ金額を払い終える計算です。

そこから先は、持っているだけで元本を割り続けることになります。

「安く手放すのは惜しい」と感じたときは、この年数を出してみてください。

惜しいと思っている金額に、いつ追いつかれるのかが分かります。

使っていなくても管理費は止まりません

別荘地の管理費も、リゾートマンションの管理費・修繕積立金も、所有している限り発生します。使っていないから払わない、という理屈は通りません。管理組合や管理会社は所有者に対して請求する権利を持っていて、滞納が続けば法的手続きに進みます。

そして区分所有法により、滞納された管理費は次の買主が引き継ぎます。だから滞納があると買い手はさらに見つかりにくくなり、滞納が増える。この循環に入ると、時間が経つほど手放しにくくなります。

別荘の管理費を滞納するとどうなるか?

払うのが惜しくなって、請求書を開けなくなる方がいます。

これはいちばん高くつく選択です。

  1. 滞納が続くと、管理会社から督促が来る
  2. 契約によっては遅延損害金が加算される
  3. 道路の除雪や共用施設の利用が止められることがある
  4. 売却するとき、引き渡しまでに滞納分を全額精算することになる
  5. 買い手から見ると滞納を引き継ぐ話なので、値引きの材料にされる

特に効いてくるのが4番目です。

3年分、5年分と積み上がったものが、決済の日に一括で引かれます。

待って値下げを避けたつもりが、滞納分の精算という形で、結局まとめて払うことになります。

遅延損害金の利率は管理規約か契約書に書かれています。

年14.6%といった水準が定められていることもあるので、必ず自分の書面で確かめてください。

そして、意外に多いのが滞納していること自体を知らないケースです。

送り先が別荘のままなので、郵便受けの中で止まっています。

送付先を自宅に変えるだけで防げるので、まず管理会社に住所変更を出してください。

売りに出す前には、滞納の有無と金額を電話で確かめてください。

相談者

管理会社に電話するのが、なんとなく気まずくて…

案内人

分かります。ただ、聞かずに売りに出すと、契約の直前に金額が出てきますよ。

相談者

そのタイミングだと、断りづらいですね

案内人

買い手も驚きますからね。先に把握して、売り出し価格に織り込んでおくほうが楽です。

一括査定と買取は、別のものです

一括査定は、複数の不動産会社に「いくらで売れそうか」を出してもらう仕組みです。売るのは買い手が見つかってからなので、買い手がつかなければいつまでも売れません。別荘や別荘地は、この「買い手がつかない」で止まります。

買取は、業者が直接買い取ります。買い手を探す必要がないので、その場で終わります。価格は仲介で売れた場合より下がりますが、売れない物件にとっては比較対象が「売れない」なので、実質的な損は出ません。

一括査定買取
相手個人の買い手買取業者
期間数か月〜売れるまで数日〜数週間
価格相場に近い相場より下がる
売れない物件止まる引き取れる場合がある

別荘の管理費が売却価格に与える影響

管理費は、売れるかどうかにも直接効いてきます。

買う側は、買ったあとに毎年いくら出ていくのかを見ているからです。

A 管理費が安い別荘地C 管理費が高い別荘地
買った人が1年に払う金額72,000円179,200円
10年で720,000円1,792,000円
300万円の物件に対する割合24%60%
買い手から見た印象許容できる本体価格と変わらない

管理費が高い別荘地なら、300万円で買っても10年で179万円出ていきます。

買い手は、実質479万円の買い物として計算しています。

つまり管理費が高い別荘地ほど、同じ建物でも売却価格は下がります

これは値下げでは埋められません。管理費は買った人にも同じ金額でかかり続けるからです。

管理費が高い別荘地ほど、仲介で待つ意味が薄くなるのはこのためです。

それでも管理費が高い別荘地に価値があるのはどんなときか?

誤解のないように書いておくと、管理費が高いことは必ずしも悪ではありません。

管理費が高い別荘地は、たいてい次のような状態にあります。

  • 冬でも除雪が入り、通年でアクセスできる
  • 上下水道が管理会社によって維持されている
  • 管理事務所が常駐していて、台風のあとに見回りがある
  • 空き区画の草刈りがされていて、別荘地全体が荒れていない

実際に使う人にとっては、この差が住み心地そのものです。

問題は、使わない所有者にとっては、この価値が1円も返ってこない点にあります。

使う人が買えば高く売れ、使わない人が持てば負担にしかならない。

だから管理費の高い別荘地では、買い手を探す期間を長く取るか、早く手放すかの差がはっきり出ます。

ここから先は、実際に手放すための窓口です。査定や相談は無料で、申し込んだからといって売らなければならない義務はありません。金額を見てから決めて問題ありません。

ただし、物件の場所・面積・管理費の滞納の有無は、最初に正確に伝えてください。後から出てくると話が止まります。

売れない別荘、買い取ります。別荘地・山林・原野もそのまま。査定無料、全国対応。

買い手を探さずに終わらせる方法があります

仲介で売れた場合より価格は下がります。ただし比較する相手が「売れない」なら、下がった分は損失ではありません。持ち続けるほど管理費と固定資産税は積み上がります。

査定は無料で、申し込んだから売らなければならない義務もありません。物件の場所と面積、管理費の滞納の有無だけ、最初に正確に伝えてください。

まとめ 別荘が売れないまま持つコストは、値下げ幅より大きくなります

別荘が売れないまま持ち続けると、管理費と固定資産税と水道の維持費だけで、10年に72万円から179万円かかります。

火災保険料も交通費も入れていない下限の金額で、これです。

管理費が高い別荘地なら、5年待つことと100万円値下げすることはほぼ同じ金額になります。

違うのは、値下げは売れた時点で終わるのに対して、待つほうは売れるまで終わらないことです。

そのうえ管理費が高い別荘地は、買う側の負担も同じだけ重いので、売却価格そのものが下がります。

まずは管理会社の請求書といちばん新しい納税通知書を並べて、自分の別荘の年額を1つの数字にしてください。

その数字で売却価格を割れば、あと何年で本体価格に追いつかれるのかが出ます。

あと1年待つかどうかは、そこまで出してから決めれば十分です。

那須の9つの別荘地それぞれの管理費は 別荘を手放す理由で一番多いのは何か?持ち続けた人の後悔も書きます、値下げの前に確かめる5点は 売れない別荘を処分するなら、値下げより先にやることがあります に書いています。

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この記事を書いた人

管理もできず、税金だけがかかることから、所有していた別荘が不要になりました。このサイトでは、私が別荘を売却した経験からコンテンツを作成しています。最初に相談した不動産屋からは「売れない」と言われて途方に暮れていたのですが、最終的には手放すことに成功しています。

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