別荘の買取業者は、売れない物件をいくらで引き取ってくれるのか?

傷んで買い手がつかない別荘。この別荘を買う会社はあります

仲介に出したまま1年動かない。地元の不動産会社には「うちでは扱えません」と言われた。

そこで買取という言葉にたどり着いた方が、まず気になるのはここだと思います。

買取だと、いくらまで下がるのか。

たしかに買取価格は仲介より低く出ます。ただ、比べるべきは提示額そのものではなく、最後に手元に残る金額です。

仲介には仲介手数料がかかり、境界が確定していなければ測量の費用もかかります。買取ではその両方が要りません。

この記事では、仲介で1,000万円で売れた場合と手取りが並ぶ買取価格を、実際に計算して出します。

そのうえで、買取業者が何を見て価格を決めているのか、どういう物件だと断られるのかを書きます。

相談者

買取だと相場の半分くらいになると聞いたのですが、本当ですか?

案内人

提示額だけを見るとそう感じるかもしれませんね。ただ、仲介のほうは手数料と測量費と税金が引かれます。そこを揃えて比べないと、判断を誤りますよ。

相談者

揃えて比べると、どのくらい変わるんでしょうか?

案内人

私の計算だと、仲介1,000万円と並ぶのは買取920万円あたりです。思ったより差は小さいはずですよ。

売れない別荘、買い取ります。別荘地・山林・原野もそのまま。査定無料、全国対応。

売れないまま持っていると、管理費だけが出ていきます

仲介は、買いたい人が現れるまで終わりません。別荘や別荘地はその「買いたい人」がいないので、値下げしても止まったままです。その間も管理費と固定資産税は毎年出ていきます。

買取は業者が直接買うので、買い手を探す必要がありません。建物が古くても、別荘地や山林のままでも査定は出ます。金額を見てから決めて構いません。

目次

別荘の買取業者は、どこまでの物件を引き取るのか?

蔦が絡んで傷んだ空き家
傷んだ建物でも、買取業者は自分が買主になるので話が止まらない

まず押さえておきたいのは、買取業者と仲介会社では立場がまったく違うということです。

仲介会社買取業者
立場売主と買主をつなぐ自分が買主になる
お金の出どころ買主自社
仲介手数料かかる(3%+6万円+消費税が上限)かからない
売れるかどうか買い手が現れるまで分からないその場で決まる
引き渡しまで4か月〜1年1か月〜3か月
対象になる物件買い手が付きそうな物件再生・転売できる見込みがある物件

仲介会社が扱えないと言うのは、買いたい人を見つけられないからです。

買取業者が扱えると言うのは、自分で手を入れて、その先の買い手を自分で作れるからです。

だから別荘の買取業者は、仲介では動かない物件を主な対象にしています。

  • 築40年を超えて、雨漏りや傾きがある建物
  • 残置物が片づいていない建物
  • 境界が確定しておらず、地積測量図も無い土地
  • 私道にしか接していない土地
  • 冬期に道路が閉鎖されるエリアの物件
  • 建物を解体したあとの別荘地・山林・原野

ただし、何でも引き取ってくれるわけではありません。

別荘の買取価格はどう決まるか?

買取業者は、その別荘を再生して売り直すか、更地にして売り直します。

だから価格の決まり方は単純です。

売り直せる金額から、手を入れる費用と利益を引いた残りが買取価格になります。

買取業者が見ている6つの項目

見ているところ価格が上がる価格が下がる
接道公道に接している私道のみ。持分が無い
上下水道本管が引かれている井戸・浄化槽・汲み取り
境界地積測量図があり、杭も残っている図面が無く、杭も見つからない
建物築30年以内、雨漏りなし築40年超、雨漏りや傾きあり
残置物空になっている家具・寝具・食器がそのまま
管理体制管理会社が機能している管理会社が撤退。管理費の滞納あり

この6つのうち、自分で先に確かめておけるのは境界と残置物と管理費の滞納です。

地積測量図の有無は法務局で600円、滞納の有無は管理会社に電話1本で分かります。

査定を頼む前にここを確認しておくと、話が一度で済みます。

仲介で売れた場合との手取り差

では実際に、仲介と買取のどちらが手元に多く残るのかを計算します。

前提は、相続した別荘で、親がいくらで買ったのかを示す資料が残っていない場合です。

取得費が分からないときは、売った金額の5%を取得費として計算することになります。

項目仲介 1,000万円買取 920万円
売却価格10,000,000円9,200,000円
仲介手数料△363,000円0円
印紙税△10,000円△10,000円
土地地積更正登記△390,316円0円
登記に伴う実費・雑費△50,000円0円
譲渡所得税(取得費5%)△1,764,600円△1,773,400円
手取り7,422,084円7,416,600円
譲渡所得税は所有5年超の20.315%で計算。買取は現況のまま引き渡すため測量を行わない前提
仲介1,000万円と買取920万円で手取りがほぼ同じになる比較
提示額では80万円違うのに、手元に残る金額はほぼ同じになる

提示額では80万円の差があるのに、手元に残る金額はほぼ同じになりました。

差を埋めているのは、仲介手数料36万円と登記費用44万円です。

つまり測量が必要な別荘なら、買取が920万円を超えた時点で買取のほうが手元に多く残ります

もちろん、境界がすでに確定していて測量が要らない物件なら、この分岐点は上がります。

だからこそ、査定を頼む前に地積測量図の有無を調べておく意味があります。

一括査定と買取は、別のものです

一括査定は、複数の不動産会社に「いくらで売れそうか」を出してもらう仕組みです。売るのは買い手が見つかってからなので、買い手がつかなければいつまでも売れません。別荘や別荘地は、この「買い手がつかない」で止まります。

買取は、業者が直接買い取ります。買い手を探す必要がないので、その場で終わります。価格は仲介で売れた場合より下がりますが、売れない物件にとっては比較対象が「売れない」なので、実質的な損は出ません。

一括査定買取
相手個人の買い手買取業者
期間数か月〜売れるまで数日〜数週間
価格相場に近い相場より下がる
売れない物件止まる引き取れる場合がある

別荘の買取業者に断られるのは、どんな物件か?

別荘の勾配天井に広がった雨漏りの染み
雨漏りの染みは、買取でも減額の理由になる

買取業者も、売り直せない物件は買えません。断られやすいのは次のような場合です。

買取でも断られやすい条件
  • 接道が完全に無い(囲繞地で、通行の合意も取れていない)
  • 管理会社が撤退し、道路と水道の維持主体がいなくなっている
  • 管理費の滞納が数十万円規模で溜まっている
  • 相続登記が済んでおらず、相続人の一部と連絡が取れない
  • 共有者の一部が売却に同意していない
  • 土砂災害特別警戒区域に指定され、建て替えができない

上の3つは物件そのものの問題で、下の3つは権利関係が整っていないという問題です。

そして下の3つは、時間をかければ解けます。

相続登記を済ませる、共有者と話をつける。手間はかかりますが、これで買取の対象に戻ります。

断られたときは、物件が原因なのか権利関係が原因なのかを必ず聞いてください。

そこが分かれば、次に何をすればいいのかも決まります。

別荘の買取業者を選ぶときに確認すること

買取は1社ごとに提示額が大きく違います。買い取ったあと、その業者がどうやって売り直すのかが違うからです。

リゾート物件を再生して売る業者と、山林をまとめて仕入れる業者では、同じ土地でも値の付け方が変わります。

だから確認するのは、価格よりも先にこの5点です。

  1. 別荘を実際に買い取った実績があるか。何件くらいか
  2. そのエリアで買った実績があるか
  3. 残置物をそのまま引き取ってくれるか。別途費用になるか
  4. 境界が未確定のままでも買ってくれるか
  5. 契約から決済まで何日かかるか

特に効いてくるのが3番目と4番目です。

残置物の処分と測量を売主の負担にされると、提示額が高くても、手取りは下の順位に落ちます

提示額を聞くときは、必ず「この金額から、私が別に払うものはありますか」と確認してください。

相談者

1社だけ聞いて決めてしまっても、いいものでしょうか?

案内人

それはもったいないですね。別荘を扱った経験のある会社はそう多くないので、そもそも当たりに行かないと出会えません。

相談者

何社くらい聞けばいいですか?

案内人

3社あれば、その物件の相場観はつかめますよ。金額よりも、扱えると即答してくれるかどうかを見てください。

買取と仲介、どちらを選ぶかの分かれ目

ここまでの話をまとめると、選び方は1つの問いに収まります。

いつ終わらせたいのか。

仲介が向いている買取が向いている
時期急いでいない支払いを早く止めたい
建物築30年以内で状態がいい築40年超、雨漏りや傾きがある
境界地積測量図があり杭も残っている図面が無く、杭も見つからない
残置物片づけられるそのまま残っている
エリア通年でアクセスできる冬期は道路が閉鎖される
相続人自分1人複数いて、これから増えそう

右の列に当てはまる項目が多いほど、仲介で待っても結果は変わりません。

値下げしても同じで、買いたい人がいない場所では、価格を下げても買いたい人は現れてくれません

別荘の買取を申し込んでから引き渡しまでの流れ

  1. 登記簿を取り、名義と地積測量図の有無を確認する(法務局・600円)
  2. 管理会社に電話して、管理費の滞納が無いかを確認する
  3. 複数の買取業者に査定を依頼する
  4. 現地を見てもらう。残置物や雨漏りは隠さずに伝える
  5. 買取価格と、売主が別に負担するものの有無を確認する
  6. 売買契約を結ぶ
  7. 決済・引き渡し(名義が親のままなら、この前に相続登記)
  8. 翌年の2月16日〜3月15日に確定申告

仲介と違うのは、3番目から6番目までが早く進むことです。

買主を探す時間が要らないので、査定から決済まで1か月から3か月で終わります。

止まるとすれば、相続登記です。

名義が亡くなった親のままだと、戸籍を遡って相続人を確定するところから始まります。

これだけで数か月かかることがあるので、心当たりがあるなら査定と同時に動き出してください。

ここから先は、実際に手放すための窓口です。査定や相談は無料で、申し込んだからといって売らなければならない義務はありません。金額を見てから決めて問題ありません。

ただし、物件の場所・面積・管理費の滞納の有無は、最初に正確に伝えてください。後から出てくると話が止まります。

売れない別荘、買い取ります。別荘地・山林・原野もそのまま。査定無料、全国対応。

買い手を探さずに終わらせる方法があります

仲介で売れた場合より価格は下がります。ただし比較する相手が「売れない」なら、下がった分は損失ではありません。持ち続けるほど管理費と固定資産税は積み上がります。

査定は無料で、申し込んだから売らなければならない義務もありません。物件の場所と面積、管理費の滞納の有無だけ、最初に正確に伝えてください。

まとめ 別荘の買取は、売れない物件のための仕組みです

別荘の買取価格は、業者が売り直せる金額から、手を入れる費用と利益を引いた残りで決まります。

だから提示額は仲介より低く出ます。ただ、仲介手数料と測量の費用が要らないぶん、手元に残る金額で比べると差は思っているより小さくなります。

今回の計算では、仲介1,000万円と買取920万円で手取りがほぼ並びました。

そのうえで確かめておきたいのは、地積測量図の有無と、管理費の滞納の有無です。

この2つは自分で調べられて、しかも査定額に直接効きます。

そして査定は1社で終わらせないでください。別荘を買い取った経験のある会社は多くありませんから、扱えると即答した会社が、その物件にとっての正解です。

手取りの計算の元になっている引かれるものは、別荘の売却で手元にいくら残るのか?相場と税金を実額で出します に一覧で書いています。

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この記事を書いた人

管理もできず、税金だけがかかることから、所有していた別荘が不要になりました。このサイトでは、私が別荘を売却した経験からコンテンツを作成しています。最初に相談した不動産屋からは「売れない」と言われて途方に暮れていたのですが、最終的には手放すことに成功しています。

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