リゾートマンションの管理費を滞納するとどうなるか?競売までの流れ

リゾートマンションの集合ポスト。1つの区画から督促の封筒があふれている

使っていないリゾートマンションの管理費を、つい後回しにしてしまう。

督促のはがきは来るけれど、部屋に住んでいるわけでもないし、すぐに何かが起きるわけでもない。

そう思っているうちに、金額は静かに増えていきます。

増えるのは滞納した管理費だけではありません。

遅延損害金、弁護士費用、督促にかかった実費が上乗せされる仕組みになっています。

そして最後には、その部屋を競売にかけられることがあります

この記事では、督促から競売までに何がどの順番で起きるのかを段階ごとに書きます。

そのうえで、滞納がある部屋を売るときの手順まで出します。

相談者

管理費を1年半ほど滞納しています。督促は来ますが、放っておくとどうなるのでしょうか?

案内人

金額が増えていきます。滞納分そのものに加えて、遅延損害金と弁護士費用が乗る決まりになっているんです。

相談者

弁護士費用まで、こちらの負担になるんですか?

案内人

はい。国が示している標準の管理規約にそう書かれていて、多くの管理組合がそれに合わせています。

管理費と修繕積立金は、売れるまで止まりません

リゾートマンションは、買う側が毎月の負担を見て決めます。部屋の値段を下げても、月々の管理費と修繕積立金は変わりません。だから値下げしても動かないことがよくあります。

買取なら業者が直接買うので、買い手を探す必要がありません。旧耐震でも、温泉付きで管理費が高くても、査定は出ます。金額を見てから決めて構いません。

目次

リゾートマンションの管理費を滞納するとどうなるか?

管理費は、管理組合が建物を維持するために毎月集めているお金です。

1戸が払わなければ、その分は他の所有者が負担することになります

だから管理組合は、滞納を放置できません。

国土交通省が示しているマンション標準管理規約では、管理費等を納付期日までに納めない場合について、こう定めています。

標準管理規約 第60条第2項

組合員が納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。

つまり請求されるのは滞納した管理費だけではありません。

  • 滞納した管理費・修繕積立金の元本
  • 遅延損害金(規約で定めた年利)
  • 違約金としての弁護士費用
  • 督促と徴収にかかった実費

この4つが積み上がっていきます。

督促から競売までの期間

リゾートマンションの管理事務所の窓口。人がおらず、掲示板も空になっている
管理事務所の窓口。督促は事務として淡々と進む

段階は決まっています。管理組合はいきなり競売を申し立てるわけではありません。

段階何が起きるか目安
1電話や書面での督促滞納から数か月
2配達証明付きの内容証明郵便による督促半年前後
3理事会の決議を経て、法的措置の検討に入る1年前後
4支払督促の申立て、または少額訴訟・通常訴訟1年〜2年
5確定した判決などをもとに、預金や給与の差押え2年前後〜
6部屋そのものの競売滞納が大きくなった段階
期間はあくまで目安。管理組合の方針と滞納額によって大きく変わる

標準管理規約では、理事長が理事会の決議により、管理組合を代表して訴訟その他の法的措置を追行できると定められています。

つまり総会を開かなくても、理事会だけで訴訟に進めます。

リゾートマンションは所有者が全国に散らばっていて総会が開きにくいので、この仕組みは実際によく使われます。

そして区分所有法は、管理費などの債権に先取特権を認めています

これは、その部屋と備え付けの動産から優先して回収できる権利です。

さらに、共同の利益に反する行為として、区分所有権の競売を請求する規定もあります。

こちらは訴訟を経る必要がありますが、実際に滞納を理由に認められた例があります。

遅延損害金の利率

遅延損害金の利率は、法律で一律に決まっているわけではありません。

その管理組合の規約で定めた利率になります。

そして国土交通省のコメントには、利率の水準についてこう書かれています。

標準管理規約コメント 第60条関係

管理組合による滞納管理費等の回収は、専門的な知識・ノウハウを有し大数の法則が働く金融機関等の事業者による債権回収とは違い、手間や時間コストなどの回収コストが膨大となり得ること等から、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる

つまり消費者向けのローンより高い利率が設定されていても、それは想定の範囲内だということです。

自分の物件が何%なのかは、管理規約の管理費の条項を見れば書いてあります。

手元に規約が無ければ、管理会社に請求してください。売却のときにも必要になる書類です。

督促にかかった費用も請求される

見落とされがちですが、督促の実費もこちらの負担になります。

標準管理規約のコメントでは、督促及び徴収に要する費用として次のものが挙げられています。

  • 配達証明付き内容証明郵便による督促の郵便代の実費と事務手数料
  • 支払督促の申立てその他の法的措置に伴う印紙代、予納切手代、その他の実費
  • その他督促及び徴収に要した費用

さらにコメントには、遅延損害金や弁護士費用について、請求しないことに合理的な事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられるとも書かれています。

管理組合の側に、温情で見逃す裁量はほとんど無いということです。

他の所有者から見れば、見逃すことは自分たちの負担が増えることを意味するからです。

使っていなくても管理費は止まりません

別荘地の管理費も、リゾートマンションの管理費・修繕積立金も、所有している限り発生します。使っていないから払わない、という理屈は通りません。管理組合や管理会社は所有者に対して請求する権利を持っていて、滞納が続けば法的手続きに進みます。

そして区分所有法により、滞納された管理費は次の買主が引き継ぎます。だから滞納があると買い手はさらに見つかりにくくなり、滞納が増える。この循環に入ると、時間が経つほど手放しにくくなります。

リゾートマンションの滞納した管理費は、次の買主が引き継ぎます

ここが、売却を考えている方にとっていちばん大事なところです。

建物の区分所有等に関する法律には、管理費などの債権を、区分所有者の特定承継人に対しても行使できると定められています。

特定承継人とは、その部屋を買った人のことです。

つまり滞納したまま部屋を売っても、管理組合は次の持ち主に滞納分を請求できます。

だから買う側は、契約の前に必ず滞納の有無を確認します。

重要事項説明でも、管理費等の滞納額は説明すべき事項として扱われています。隠して売ることはできません。

滞納の状態売却への影響
滞納なしそのまま売り出せる
数か月分引き渡しまでに精算する条件が付く
1年以上滞納額を売却価格から差し引く交渉になる
数年分買い手の検討の対象から外れる
訴訟や差押えが進んでいる任意に売ることが難しくなる

月4万円なら、24か月ぶんで元本96万円が積み上がります。

そこに遅延損害金と弁護士費用が乗ります。

売り出し価格と同じだけの負債が付いてくるなら、買う理由がありません。

リゾートマンションの管理費が高い理由

リゾートマンションの温泉設備の機械室。太い配管とバルブ、湯の成分が固まった跡
温泉の機械室。使う人がいなくても、設備の維持は止められない

そもそも、なぜリゾートマンションの管理費は高いのか?

理由は、普通の住宅にはない設備を建物全体で維持しているからです。

  1. 温泉の設備(源泉の管理、配管の洗浄、加温にかかる燃料費)
  2. 大浴場・プール・ラウンジなどの共用施設
  3. フロントに人を置いている物件がある
  4. 雪国では除雪の費用がかかる
  5. 海沿いでは塩害による外壁と鉄部の傷みが早い

そして、ここに5つ目の理由が重なります。

空室が多いと、1戸あたりの負担が重くなります。

建物全体でかかる費用は、住んでいる人が減っても変わりません。

払う人が減れば、残った人の負担が増えます。

負担が増えれば売りにくくなり、売れないから空室が増え、また負担が増えます。

滞納が自分ひとりの問題では済まないのは、この構造があるからです。

相談者

使っていないのに、なぜこんなに高いのかと思っていました

案内人

温泉と共用施設を建物全体で維持していますからね。使わなくても止められないんです。

相談者

止める方法は無いのでしょうか?

案内人

所有をやめる以外にありません。だから早く手放すかどうかの判断になるんです。

一括査定と買取は、別のものです

一括査定は、複数の不動産会社に「いくらで売れそうか」を出してもらう仕組みです。売るのは買い手が見つかってからなので、買い手がつかなければいつまでも売れません。別荘や別荘地は、この「買い手がつかない」で止まります。

買取は、業者が直接買い取ります。買い手を探す必要がないので、その場で終わります。価格は仲介で売れた場合より下がりますが、売れない物件にとっては比較対象が「売れない」なので、実質的な損は出ません。

一括査定買取
相手個人の買い手買取業者
期間数か月〜売れるまで数日〜数週間
価格相場に近い相場より下がる
売れない物件止まる引き取れる場合がある

リゾートマンションの管理費の滞納がある部屋を売る方法

滞納があっても売れます。ただし順番があります。

  1. 管理会社か管理組合に連絡して、滞納額の残高を出してもらう
  2. 元本・遅延損害金・弁護士費用・督促費用の内訳を確認する
  3. 一括で精算できるか、分割にしてもらえるかを相談する
  4. そのうえで査定を取り、売却価格から精算できるかを見る
  5. 精算の見込みが立ってから、売りに出す

1番目を飛ばして値下げしても、話は進みません。

買い手も仲介会社も、残高が分からないままでは契約に進めないからです。

そして残高を聞くのは、気まずくても早いほうが有利です。

滞納は時間が経つほど遅延損害金が積み上がりますし、法的措置が進むと任意に売ることが難しくなります。

売却価格で精算できないときにできること

売却価格より滞納額のほうが大きい場合もあります。

その場合に取れる手は3つです。

  • 不足分を自己資金で用意して精算し、そのうえで売る
  • 管理組合と分割の合意を取り、売却後に払い続ける
  • 滞納込みで引き取る買取業者を探す

3番目は、業者が滞納分を負担したうえで買い取る形になるので、その分だけ買取価格は下がります。

それでも、毎月増え続ける状態を止められるという点では意味があります。

どの手を取るにしても、まず残高を確定させるところからです。

ここから先は、実際に手放すための窓口です。査定や相談は無料で、申し込んだからといって売らなければならない義務はありません。金額を見てから決めて問題ありません。

ただし、物件の場所・面積・管理費の滞納の有無は、最初に正確に伝えてください。後から出てくると話が止まります。

毎月の支払いを止める日を決められます

仲介で売れた場合より価格は下がります。ただし比べる相手が「売れない」なら、下がった分は損失ではありません。待っているあいだも管理費と修繕積立金は毎月出ていきます。

査定は無料で、申し込んだから売らなければならない義務もありません。管理費の滞納がある場合は、金額を最初に正確に伝えてください。

まとめ リゾートマンションの管理費滞納は、時間が経つほど選べる手が減ります

管理費を滞納すると、元本のほかに遅延損害金と弁護士費用と督促の実費が加算されます。

これは国が示す標準管理規約に沿った仕組みで、多くの管理組合が同じ定めを置いています。

しかも遅延損害金の利率は、消費者向けのローンより高く設定することも考えられる、と国のコメントに書かれています。

段階は督促から始まり、内容証明、法的措置、差押え、そして部屋の競売へと進みます。

そのあいだにも金額は増え、任意に売れる余地は狭まっていきます。

そして滞納は、売っても消えません。次に買った人に請求できると法律で定められているからです。

だから最初にやることは値下げではなく、管理会社に電話して残高を出してもらうことです。

金額が分かってはじめて、精算するのか、分割にするのか、滞納込みで引き取ってもらうのかを選べます。

売却できない原因の切り分けは リゾートマンションが売却できない。管理費だけ残る前に読んでください、持ち続けた場合に出ていく金額の出し方は 別荘が売れないまま管理費を払い続けると、総額はいくらになるのか? に書いています。

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この記事を書いた人

管理もできず、税金だけがかかることから、所有していた別荘が不要になりました。このサイトでは、私が別荘を売却した経験からコンテンツを作成しています。最初に相談した不動産屋からは「売れない」と言われて途方に暮れていたのですが、最終的には手放すことに成功しています。

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